ディレクターの紹介

Director
神山修（Kamiyama, Osamu)

キャンプ場にて　妻恒子/Co-Director　他と共に

Program Director
山崎綾子(Yamazaki, Ayako)

ウェルネスキャンプ
アワードをもらった子供達とともに

私がニューヨーク近郊在住の日本人の子供達を対象として、ここアメリカで泊りがけキャンプを始めて早くも２５年がたちました。その間日本、アメリカともに社会的、経済的に大きな変化がありましたが、その中でキャンプに参加する子供たちも大分変わってきました。　

アメリカ人の子供達の躾や礼儀ができいないのは昔も今もあまり変りませんが、一番大きな変化は、毎年肥満の子供の割合が多くなってきていることです。彼らの食事を見てみますと、好きなもの（ジャンクフードと言われるチップスやフライドポテト等）をたくさん食べて　おいしくないもの、嫌いなもの（特に野菜やフルーツ等）はほとんど食べないので、その結果太ってしまう。太って重たくなるので体が動かしにくくなり、その結果としてますます運動不足になり、もっと太ってしまう・・・この悪循環が子供の間だけではなく、そのまま改善されずに大きくなった子供（大人）の間にも同じように広がっています。　

それではアメリカにいる日本人の子供達の間の変化はどうでしょうか。子供たちは年々「恵まれている事に気づかない、気づけない」ようになってきている、と私は思います。そしてその変化の背景は大きく分けて２つあると思います。　

一つは少子化、２つ目はコンピューターゲーム等ＩＴ製品の普及も含め、物質的に豊かさ過ぎるくらい豊かになった事です。子供の数が多く、あまり豊かでなかった昔はいざ知らず、少子化で物質的にも恵まれている現代では、親御さんの目が十分すぎるくらい届く為、子供が出来るような簡単なことでも本人がやる前に親がやってしまったり、又ついつい子供の言う事を聞いて余分な物を買って与えたりしがちです。このように、ある意味において「過保護な環境」に浸かって育ってしまった子供たちは、どうしても自ら意思表示をすることが下手になり、友達付き合いが上手くできなかったり、ある時突然「切れ」たり、又市販のものが無いと遊ぶ事さえ出来なくなってしまいがちです。　「子は宝」と言いますが、子供を愛情をもって育てる事と、甘やかすことは違います。

本来日本人が持っている良さとは、真面目さ、一生懸命努力する事等であり、アメリカ人の良さは常に前向きな考え方で何事も楽しくやろうとする事かと思います。私達のキャンプでは、これらの日米両国の長所をキャンプ生活とプログラムの随所に組み入れ、実行します。どんなにコンピューターが発達し、世界中の情報が簡単に得られても、又ゲーム器を使って一人で楽しく遊べたとしても、これらはあくまですべて「バーチャルリアリティー＝仮想的現実」であって、現実とは程遠いものです。やはり実際に多くの人間の中に入って色々な経験をし、頭を使い、体を使い、時には汗を流して努力しなければ、何事も上手く行くようにはなりません。しかし成長過程においては、子供達が前向きに物事を捉えて行くことが出来る様に、色々な事を「楽しい」雰囲気の中で行う事が大切です。楽しい経験は誰に言われなくても自ら率先してやるようになりますが、楽しくない事は言われなければやらなくなってしまいます。　

私達夫婦に子供が生まれた時、アメリカ人の友人から”You enjoy until he becomes 10 years old... ”と言われました。意味がよく解らず聞いてみますと、「子供は１０歳くらいまでは親の言う事もよく聞くので楽しめますよ。その間に愛情をたくさん注ぎ、しっかり躾をしておきなさい。そして１０歳くらいになると親の言う事を聞かなくなり、自立心がでてくるので、出来るだけ外へ出してよい経験をたくさんさせてあげなさい」と、言うことでした。子供が小さいうちは何も感じませんでしたが、子供が大きくなるに従い友人の言った言葉の意味が理解できるようになりました。　

親元を離れ、アメリカの大自然に恵まれた素晴らしい環境の中で、よいお手本となるおにいさん、お姉さんのリーダー達と共に規律正しい集団生活を通して、家や学校では決して出来ない経験を得る事が出来るのが私達のウェルネスキャンプです。　

ウェルネスキャンプでは家庭ではなかなか出来ないような事でもリーダーや友人達と皆で楽しいゲーム形式で行いますので、自然と楽しく出来るようになり、その結果物事を前向きに捉えられるようになっていきます。自然やスポーツが大好きな人、苦手な人、英語が上手く話せない人、日本語が苦手な人、人付き合いが苦手な人、友達を作りたい人、感動を得たい人－－ぜひ私達のキャンプ参加して一生に残る思い出を作ってください。

ウェルネスキャンプは他人の目を気にすること無く、一人一人がそのままで楽しめるキャンプです。　